【吉田司家に対する、ご要望・質問などはメールにて承ります。 フェイスブックページ開設しました。ここ→http://www.facebook.com/npogyoji
にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
にほんブログ村

2008年07月08日

やはり氷は無くなる・・・。

やはり氷は無くなる・・・。



「地球温暖化の救世主」なんて大嘘だ

8億台の車を走らせて8億人を飢えさせるバイオエタノール燃料という名の怪物


文=水野俊平(北海商科大学教授)

食糧高騰の〝戦犯〟として挙げられているのがバイオ燃料だが、それでも「バイオ神話」が根強いのは、バイオ燃料が二酸化炭素削減をもたらし、地球温暖化を防止するといわれるからだ。しかし、著書『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』でバイオ神話に疑義を呈した武田邦彦・中部大学総合工学研究所教授は、バイオ燃料は食糧問題にも環境問題にも害をなすと警告する。


 ブッシュ大統領は07年1月の一般教書演説でバイオ燃料の普及促進を宣言した。これにより、人類史上初めて、食糧を乗り物の燃料として燃やす時代が始まった。


 米政府がバイオエタノール生産に補助金を設定し、バイオエタノール需要を見込んでトウモロコシ価格が上昇したため、アメリカではオレンジや小麦、大豆などの農家が雪崩を打ってトウモロコシに転作している。トウモロコシの作付面積は、日本の国土に匹敵する4000万haだが、この1年間で九州と同じ面積の420万haも増えた。


 アメリカのバイオエタノールの生産量は、今やブラジルの生産量に匹敵する年間1620万㎘に達し、世界全体の生産量の約3分の1を占めるまでになっている。


 しかし、トウモロコシがどんどんバイオエタノール製造に回されたので、当然、食糧・飼料としてのトウモロコシは不足する。その代替品として小麦が飼料に使われるようになって小麦も不足。大豆農家もトウモロコシに転作したので、アメリカの大豆作付面積は11%も減少した。この連鎖反応で、トウモロコシも小麦も大豆もすべて右肩上がりに高騰している。


 これが日本人の生活を直撃していることはご承知の通りだが、日本はまだ裕福な国なので、穀物価格が高騰しても餓死者が続出する事態は起きていない。しかし、世界の最貧国では話は別だ。


 WFP(国連世界食糧計画)によれば、現在、世界には餓死寸前の状態にある人が8億人いて、その内、実際に餓死する人は年間1500万人と見積もられている。


 これまで欧米先進国が生産した穀物の余剰分は輸出に回され、最後は飢餓の国に安価で売られ、飢えた人々の命をつないできた。しかし、これから余剰分はバイオエタノールに化け、自動車で燃やされることになる。数字の偶然だが、世界には8億台の自動車が走っている。つまり、8億の人々が自動車に乗るために、8億人が餓死の危機にさらされるのだ。


 アメリカで07年に制定されたエネルギー法では、22年までに現在の約6倍の1億㎘までバイオエタノールを増産する計画である。各種統計から、最貧国の餓死者は現在の10倍に膨れ上がり、1億5000万人に達すると私は予測している。


 餓死者の激増を招くという批判を受けて、ブッシュ大統領は「樹木や雑草などからバイオ燃料を製造する研究を進める」とし、6月の食糧サミットでも食糧以外のバイオ燃料の開発が検討課題に挙がったが、まさに〝絵に描いた餅〟である。


 樹木や雑草からエタノールを作る研究は昔から行なわれ、日本でも建築廃材からエタノールを製造するプラントが大阪に建設され試験運転が始まっている。しかし、公表されたデータによると4万8000tの木材から採れるエタノールは1400tで、収率はわずか3%である。プラントの運転には石油などのエネルギーが必要で、これほど収率が低いと運転で消費した石油より少ない量のエタノールしかできない。これなら石油は石油として使い、建築廃材は燃やして発電に使う方がマシだ。


 現在のところ穀物以外の原料に将来性はほとんどないので、バイオエタノールを製造し続ける限り、穀物は不足し、莫大な数の人々が餓死することになるだろう。



トウモロコシは食糧として使用する方がムダがない



 そもそもバイオエタノールは、二酸化炭素の排出を削減し、温暖化を止める「環境にやさしいエコ・エネルギー」ということで注目を集めた。しかし、バイオエタノールで二酸化炭素排出が減るというのはまったくのデタラメである。



 バイオエタノールが「環境にやさしい」というのは、〝カーボン・ニュートラル〟とされているからだ。カーボン・ニュートラルとは、実質的に二酸化炭素をほとんど出さないという意味。穀物は二酸化炭素を吸収して生長するが、自動車が穀物原料のエタノールで走り、二酸化炭素を排出しても、再び穀物を栽培する過程で吸収されるので、実質的に二酸化炭素を出していないという〝ゼロサム論〟である。



 しかし、この論には重大な見落としがある。穀物を栽培するにはエネルギー(石油)が必要だという点である。



 もともと農業は農地に種をまき、水と太陽エネルギーと少量の肥料で植物を生長させるが、現代では、省力化と農地の有効活用のため、農地に大量のエネルギーを投入して収穫を最大化させる。そのエネルギーとは、トラクターなど農業機械の燃料や石油を原料とする化学肥料・農薬などである。



 では、どれぐらいの石油を投入して、どれぐらいの穀物が採れるのかというと、さまざまな研究調査があり、実は判断の難しいところではあるが、アメリカの穀物栽培の場合、カロリーベースで比較するとおおむね1対1程度といえる。つまり、農地に投入した石油とほぼ同じエネルギー量の穀物しか取れない。これが日本の場合だと、農地が狭く、農業従事者の高齢化で農業機械への依存度も高いため、3対1ともっと効率が悪い。



 さらに収穫したトウモロコシからエタノールを製造するには、でんぷんを糖化し、発酵させ、蒸留して脱水するという工程を経る必要があり、当然、ここでもエネルギー(石油)が消費される。



 投入した石油より少ないエネルギー量のエタノールしか製造できないのだから、石油は石油として、トウモロコシは食糧・飼料として消費する方が無駄がない。現状では、石油と穀物をただ浪費しているだけで、省エネにも二酸化炭素排出削減にもなっていないのである。



 もう一つのバイオ燃料大国ブラジルの場合は、糖分を多量に含み、少ないエネルギーでエタノールを作れるサトウキビを栽培できるため、エネルギー収支はプラスになっていると考えられる。



 しかし、問題はブラジルで普及しているフレックス車というシロモノである。フレックス車はガソリンでもバイオエタノールでも走れる自動車だが、燃料の質が安定していないという前提では、エンジンの設計が大雑把になるので、非常に燃費が悪い。つまり、バイオエタノール製造でエネルギー収支がプラスでも、燃費の悪い自動車で走ることで、プラスが打ち消されてしまう。



 これがバイオエタノールという怪物の正体である。しかし、餓死者が増えようが、エネルギーの浪費になろうが、どんなに批判されても欧米諸国は増産を続けるだろう。彼らの目的は環境対策などではないからだ。真の目的は別のところにある。



続きを読む : 日本がなすべきは二酸化・・・




日本がなすべきは二酸化炭素の削減ではない




 アメリカのトウモロコシ農家は、収穫した後、穀物市場の価格とバイオエタノール工場の買い取り価格を比較して、高い方に出荷する。原油価格が上がればバイオエタノール工場に、穀物価格が上がれば穀物市場にトウモロコシが集まるわけだ。これにより、今まで別個に市場価格を形成していた食糧価格と原油価格が連動するしくみができあがった。穀物でエネルギー市場に影響を与えることが可能になったのである。




 日本の穀物自給率が著しく低いことは周知の通りだが、欧米先進国のなかには穀物自給率が100%を超えている国が多い。トップがオーストラリアで333%、フランスは173%、アメリカ132%となっている。アメリカの場合、自給率の数値は高くないが、人口が多く生産規模が大きいので、余剰分の絶対量が多く、アメリカの穀物の力は圧倒的である。




 その一方で、経済発展が著しい中国やインド、ロシアは穀物自給率が100%を割り込んで、食糧輸入国に転じつつある。




 つまり、欧米先進国は穀物の余剰分をバイオエタノールに変えて、エネルギー市場に影響を及ぼし、中国、ロシア、インドなどの新興勢力を牽制できるのである。アメリカはこれまで持っていた軍事、政治、ドル、そしてアラブとともに進めていた石油に加えて食糧という第5のパワーを手に入れた。




 お人好しな日本人は、二酸化炭素の排出削減のために欧米諸国がバイオエタノールを導入したと信じているが、そもそも京都議定書を批准して、二酸化炭素の排出削減を約束したのは、世界中で日本だけである。アメリカは批准せず、日本と同じく削減目標を負ったカナダは離脱した。ヨーロッパ諸国やロシアは、自国の基準値を低く設定することに成功し、削減どころか実質的に増大枠を確保した。




 欧米先進国は、ルールを決めたらそのルールの範囲内で自国に有利な結果を導きだすことしか考えていない。バイオエタノールは京都議定書でカーボン・ニュートラルと定義されたのだから、最大限に利用して、排出権取引で利益を出し、さらにはエネルギー市場に影響力を持とうとしているのだ。




 日本がすべきなのは、二酸化炭素の削減方法を考えることではなく、日本の得意分野をどう活用すれば有利な立場に立てるかを考えることだ。例えば、自動車や家電製品などで、基準値より燃費がいい、消費電力が少ない製品を販売したら、その分をカウントするよう交渉する。バイオエタノールより現実に削減効果があるのだから、認められて当然である。外交交渉次第だろう。




 将来の食糧難の時代を見据えて対策を立てる必要もある。国土の狭い日本は、農業で世界と戦うのは不可能だが、200カイリ経済水域は約451万㎢あり、世界第6位に位置する。同じ太陽エネルギーの量で、陸の生物(植物など)と海の生物(プランクトンや海藻など)が生産するグルコース(ブドウ糖)の量を比較すると、実は海の生産性は陸の約15倍である。日本人は、海を積極的に活用することで生き残る道が拓ける。




 必要なのは発想の転換だけである。






基準年、決着先送りへ


=温暖化ガス削減目標で-EU関係者


7月7日20時11分配信 時事通信


 北海道洞爺湖サミットに参加している欧州連合(EU)関係者は7日、主要8カ国(G8)が合意を目指している「2050年に温室効果ガスの世界全体の排出量を半減させる」との長期目標の基準年について「極めて技術的な議論で、後で決めてもいい」と述べ、決着が先送りされるとの見通しを示した。

 昨年のドイツのサミットでは、50年の排出量半減を真剣に検討することで一致した。しかし、比較の基準年に関しては、1990年を主張するEUと現時点を主張する日本などが対立し、明示されなかった。


同じカテゴリー(【環境問題】)の記事画像
コメやリンゴ品質低下
『プリウス』
バイオ燃料混合
中国でハイブリッド車投入
電気自動車の“争奪戦”
なぜ温暖化対策は・・・
同じカテゴリー(【環境問題】)の記事
 コメやリンゴ品質低下 (2008-08-03 16:17)
 『プリウス』 (2008-08-01 11:34)
 バイオ燃料混合 (2008-07-29 21:36)
 中国でハイブリッド車投入 (2008-07-19 21:02)
 電気自動車の“争奪戦” (2008-07-15 16:03)
 なぜ温暖化対策は・・・ (2008-07-12 17:34)

Posted by セレスピード熊本 at 06:24│Comments(0)【環境問題】
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。