2008年06月29日
『ベビーアルファ』


ベビーアルファ、MiTo…たった78馬力のワケは?
アルファロメオの新型コンパクトカー『MiTo』。イタリアでは「ミート」と発音される。イタリアの自動車ナンバーの略号、Mi(ミラノ)とTo(トリノ)にかけたネーミングだ。アルファロメオゆかりの地ミラノと、イタリア自動車産業の中心地トリノにちなんだものである。
MiToは開発が明らかになった当初、ファンの間でコードネームである「955」や「ベビーアルファ」の愛称で呼ばれていた。やがて新名称は、往年のアルファロメオにも使われたことのある「ジュニア」という説が有力となった。
しかし2007年10月、アルファロメオは世界5か国の自動車誌上で、ネーミングコンテストを実施。結果として同年11月には上位12候補(アジェア、エノス、エヴェルソ、フィーラ、フリオーザ、ミーロ、モッド、ソレア、スパーヴォ、ヴェルヴェッタ、ヴェントゥーラ)が発表された。その中でも、イタリア国内投票で最上位だったフリオーザ(Furiosa。怒り狂った、荒れ狂ったを意味する伊語)になるのではという憶測が飛んだ。
だが2008年3月、メーカーは新型車の名称を「Mi. To」と発表。その段階では「Mi.To」と、Mi の後に「.」ピリオドがあったのだが、6月19日の正式発表時点ではピリオドがとれてMiToとなった。イタリア語の「mito」(神話)を想起させることも意図したと思われる。
思えば、2003年に現行フィアット『パンダ』が発表された前も、当初「ジンゴ」になる予定だったが、発売直前でルノーから『トゥインゴ』と混同されやすいとの抗議を受けて、パンダに改めた。フィアット系のネーミングは、最後までわからないといってよい。
蛇足ながら、米大統領予備選のオバマ・フィーバーで福井県小浜市が勝手に応援したのにならい、茨城県水戸市あたりが公用車にMiToを導入、なんていうのはいかがだろうか?
《大矢アキオ》
アルファロメオの新型コンパクトカー『MiTo』のスタイリングは、『8Cコンペティツィオーネ』の意匠を継承したもので、デザイン作業は社内による。ただし従来のようにトリノのスタイリングセンターではなく、アルファロメオ・ブランドゆかりの地アレーゼに新設された同ブランド専用デザイン拠点で進められた。
また今回の発表イベントもフィアットグループの本拠地トリノではなく、ミラノ中心部のスフォルツェスコ城を舞台にして行なわれた。
フィアットグループはMiToで、近年のアルファロメオ高級化で離れていった若いアルフィスタの掘り起こしを図る構えだ。とくにイタリア市場ではBMWグループ『MINI』に流れてゆく顧客を食い止める持ち駒を、ようやく手に入れたといえる。
なお、『147』の後継車となる5ドア小型車は2009年発表の予定だ。
ちなみに、アルファにしてはあまりに非力な78馬力仕様が用意されたのは、以前も報じられた、
「車重1tあたり出力が50kW以上の車両は、免許取得後1年間運転できない」というイタリア新道交法に対処するため。
同法は当初の7月施行予定が2009年1月まで延期されたが、そのために1バージョンを用意するあたりにも、メーカーによる若者への強いラブコールが感じられる。
《大矢アキオ》
イタリアの法律もユニークですね!
若者(初心者)が、パワーのある車に乗れない・・・
確かに、死亡事故は免許を取ってから、2~3年が多いですからね。