2008年05月11日
朝青龍が破れる

稀勢の里に押し倒しで敗れる朝青龍(下)=両国国技館で2008年5月11日、梅田麻衣子撮影
朝青龍が稀勢の里に破れる
白鵬は朝赤龍を難なくはたき込んだが、朝青龍は稀勢の里の鋭い出足に腰から落ちる波乱の幕開け。大関陣は昨年九州場所3日目以来のそろって白星。通算勝ち星が歴代4位の魁皇は、把瑠都の挑戦を退けて通算900勝目とした。
◇「(立ち合いは)迷った」横綱
尻から土俵に落ちた朝青龍。背中にはべっとりと土。完敗のバツの悪さに土俵上に腰を降ろし、舌まで出して首をひねった。
例によって立ち合いに張り手を繰り出したが、あごを引いて出る稀勢の里の圧力は止められなかった。稀勢の里に左をねじ込まれ、苦し紛れに右から小手に振ったが、これも相手を呼び込む結果となった。
「(立ち合いは)迷った。中途半端。自分から攻めていない」と朝青龍。稀勢の里は難敵だが、天下の横綱が背中から落ちては言い訳はきかない。「おかしいな。あんなことなかったんだけど」とぼやくばかりだ。
一方、殊勲の稀勢の里は「左が入ったから前に出た。気分がいい」。左でも右でも相撲を取れる器用さが、逆に出世を妨げているという声もあるが、役力士では2番目に重い170キロの体重の圧力を一点に集中すれば、とてつもない力を発揮する。初場所でも一気の攻めで朝青龍に勝ったが、それ以上の中身。持ち味の踏み込みを生かし、初日の土俵に波乱を呼んだ21歳は「まだ初日ですから」と謙そんしながらも、たまらず笑みがこぼれた。【飯山太郎】
○…2場所ぶりの賜杯を目指す白鵬が白星発進。「ないと言ったら嘘になる」という初日の緊張感の中、朝赤龍を危なげなくはたき込んだ。「体が動いているんじゃないかな」と自己評価。前日が長女の1歳の誕生日で、取組前には「1日遅れだけど、初日に勝利をプレゼントする」と話していただけに、喜びもひとしお。
○…魁皇が初顔の把瑠都を退け、節目の通算900勝目を挙げた。身長197センチ、体重175キロの巨漢との対戦を「でかいし、力も強いし、重たかった」と振り返ったが、得意の右上手をつかむと、休まず攻めて寄り切った。積み重ねた白星は歴代4位。「あんまり気にしていないし、やめた時に分かること。場所で相撲をとることだけを考えたい」と淡々としていた。
○…今年初場所以来、2度目のカド番となる琴欧洲は、若ノ鵬の挑戦を退けた。対戦成績は0勝1敗だったが、先場所は左腕を痛めての不戦敗で、事実上の初対決。自分の形の右四つに組んで一気に寄り切り、「相手がどういう相撲をとるか分からない」という不安を一掃した。「一番大事なのは気持ち。カド番はあまり意識するとダメ」と自然体を強調した。
毎日新聞 2008年5月11日 19時16分(最終更新 5月11日 20時49分)
Posted by セレスピード熊本 at 21:12│Comments(0)
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