2008年07月16日
これで最後?

平松市長沈痛「思ってたより根深い」
大阪市の3度に及ぶ全庁調査をくぐり抜け、裏金をひた隠しにしていた。市公正職務審査委員会が内部告発を受けて14日、明らかにした東住吉、浪速両区役所での裏金づくり。公金支出が認められない使途にも充てられたとみられ、関係部署が組織ぐるみで隠ぺい工作を講じた疑いが強い。「当初思っていたより根深い」。緊急記者会見に立った平松邦夫市長は沈痛な表情を浮かべ、またも全区役所での調査に入る。
「だまされた」
「面と向かって、ウソをつかれたのか……」。東住吉区役所で裏金調査を担当した松下俊明・総務担当課長は、委員会の勧告内容を知り、顔色を失った。
全庁調査で自ら事情を聞いた職員やOB46人は、いずれも裏金を否定したという。「(内部告発への)圧力があった可能性も」との委員会の指摘にも衝撃を隠せず、「そんな雰囲気を感じなかった。すべて暴き出すしかない」と漏らす。
浪速区では、1人が裏金を申告したが、14人の歴代担当者が否定し、市は「証言の信ぴょう性は乏しい」と結論づけていた。東谷茂樹区長は「組織的に隠ぺいしたとは思いたくないが、部下にだまされてショック」と言葉少なだった。
「事故資金」
発覚した裏金の管理通帳や帳簿も見つかった。
東住吉区の裏金帳簿によると、2002年4月~07年3月の間に計40回の出入金が認められた。パンク修理代やタクシー代など多岐にわたる使途の中には、「収納事故資金」(計4万円)の名目も。財政局は「裏金特有の隠語ではないか」としている。
浪速区では、使途不明だが1998年10月~06年12月の間に15回、計約70万円の支出が記載されていた。
一方、両区の旧税務担当が総務課に引き継いだとされる裏金計146万円の行方はわかっていない。会見に臨んだ同委員会のメンバーも、「なぜ裏金が移されたのか」などの報道陣の質問に対し「わからない」と繰り返すのみ。辻公雄委員長は「市は徹底的な調査を」と語気を強めた。
「これで最後」誰も思わぬ
「やはりあったか」。職員からさえ、そんな声が漏れた。平松市長が「できることはすべてやった」と胸を張った全庁調査の信頼性は地に落ちたと言える。 浪速区の裏金については、市は4月に情報をつかみながら、「証言が得られない」と真相究明を打ち切っていた。東住吉区の場合、市に報告さえ上がってこなかった。 平松市長は改めて全庁調査をするつもりはないという。だが、裏金の情報が寄せられながら「裏付けがとれない」と調査を打ち切ったケースだけでも、ほかに8件ある。「これで最後」とは誰も思っていない。 調査を尽くし、ウミを出し切らない限り、信頼を回復することはできないだろう。